仕事帰り、ふらっと寄った小さな居酒屋。
カウンター席が6つ、テーブル席が3つ。狭いけど妙に落ち着く場所や。
いつも通りビールをちびちび飲んでいたら、入口の引き戸が「ガラガラ〜」と音を立てた。

「こんばんは〜!」
明るい声と一緒に入ってきたのは、肩までのミディアムヘアをゆるく下ろした女の子。
常連らしく女将さんと挨拶を交わし、俺の二つ隣に座った。



「あ、ユウジさんですよね?」



「えっ!? なんで俺の名前……?」
いきなり名前を呼ばれて、ビール吹きそうになった。



「この前、名札の話してたでしょ? 女将さんから聞きました〜」



「あー……そういやあったな。」
いきなりのフランクさに少し驚いたけど、そこから自然と会話が始まった。
仕事の話や趣味の話、共通点もあって妙に盛り上がる。
■ もこなの一言で空気が変わる



「ユウジさんって、普段どんなお仕事してるんですか?」



「普通の会社員やで。毎日パソコンとにらめっこ。」



「じゃあネット詳しいんですね?」



「いや、人並み程度やけどな。」
そう答えた瞬間、もこながぐっと身を乗り出してきた。



「じゃあ聞きますけど──“アフィリエイト”って知ってます?」



「名前くらいは。ネットに広告貼って小遣い稼ぐやつやろ?」



「そうそう! 私、それちょっと興味あるんですよ〜。レビューとか、面白そうじゃないですか。」
■ 本題、唐突すぎるやろ!



「レビューって……どんなやつ?」



「例えば、ちょっと人に言いにくいモノとか。」



「……人に言いにくいモノ?」



「ふふっ。気になるでしょ? 実はね──」



「アダルトグッズ! レビューしたら絶対ウケると思いません?」



「はぁ!? なんやねん急に!!」
ビールの泡が鼻に入りそうになった。
この子、いきなりアクセル全開やな……。
■ もこなの過去と仲間の存在



「だって私、そういうの全然抵抗ないですし。正直に書いたら、同じように気になる人の参考になるでしょ?」



「いやいやいや……普通、女の子がそんなこと言わんやろ!」



「普通が面白いんですか?(ニヤリ)」
……返す言葉が見つからん。



「ちなみに私ね、昔ちょっと特殊な接客のバイトしてたことあるんです。」



「えっ……それって、まさか……?」



「まぁまぁ〜想像にお任せします♪」
サラッと言うな……。
その自由さに呆れつつ、どこか引き込まれてる自分がいた。



「それにね、私の友達に“ひよりん”って子がいて。めっちゃ真面目なんですけど、私の無茶ぶりにいつもツッコミ入れてくるんです。ユウジさんも一緒にやったら絶対面白いと思う!」



「……勝手に巻き込むなや。」



「えへへ。もう巻き込まれてますよ〜。」
■ そして、決定的な一言
閉店間際、会計を済ませて外に出ると、夜風がひんやり心地よかった。
もこなが隣を歩きながら、急に足を止める。



「じゃあ決まりですね。アダルトグッズのアフィリエイト、始めましょう!」



「いや決まってへんけど!?」



「もう決まってますって。ユウジさん、絶対ハマりますよ。」
その笑顔は、無邪気さと企みが入り混じった不思議な光。
たぶんこの時から、俺は“もこな”に振り回される運命やったんやと思う。
◆ まとめと次へ
こうして始まったのが、ユウジと“もこな”、そして後に加わる“ひよりん”のちょっと変わった関係。
でも、ここからの記事をもっと面白く読むために──
まずは俺たち3人のことをちょっと覗いてみてほしい。
笑えるクセや意外な一面、ちょっと真面目な顔まで。
プロフィールを見れば、この先の物語が何倍も楽しめるはずや。
\ ぼたんだよ /
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